Jacques Martin の逝去  
 
私達はフランス-ベルギー・コミック界の巨匠を失いました。

キャラクター AlixとLefrancの生みの親Jacques Martinは、1950年代から60年代にかけてはエルジェ・スタジオを支えた中心人物でもありました。

〜The clear-line illustrations派〜

又Alixの主人公、勇敢なAlixは、1948年9月16日付のタンタン新聞に登場しています。

レポーターLefrancの最初の冒険La grande menaceは、1952年の5月21日、同じくタンタン新聞で生まれています。

この2タイトルは、亡くなったJacques Martinの代表作と言えます。
彼は、
Herge(エルジェ),
Edgar-Pierre Jacobes(エドガー・P・ヤコブズ:Blake Et Mortimer)、
Paul Cuvelier(ポール・キュヴェリエ:Corentin)、
Andre Franquin(アンドレ・フランカン:Spirou et Fantasio)、
Rene Goscinny(ルネ・ゴシニ:Asterix)、
そしてJean-Michel Charlier(ジャン・ミシェル・シャルリエ:Blueberry原作)、
等の亡き後、フランス-ベルギー・コミック界最後の巨匠といえる存在でした。

Martin, JacobsそしてCuvelierは、“the clean-line illustrations”(*)と呼ばれたグループに属しました。

彼らは、“ストーリーを語る”方式と“視覚的効果”の両方で、読者に容易に理解させる“描画”と“台詞”の表現テクニックを開発したのです。

この表現傾向は、エルジェによって始められサポートされていきました。

この動きは、イラストレーションの学派にこそなりませんでしたが、様々な派生を遂げ多くの模擬者を輩出しました。

Tintin、Alix、Lefranc、Corentin、Blake et Mortimerのような強烈な個性ある作品は、誰であろうと他人が引き継ぐことは容易ではなく、それぞれの作家に強く根付いているのです。



*ベルギー漫画の特徴ともいえる、はっきりした輪かく線を用いる手法。